群馬県前橋市 腰痛,疼痛,筋膜性疼痛症候群,MPS,トリガーポイント,ファシア
過敏になった侵害受容器のあるポイントをトリガーポイントと呼びます。
筋硬結=トリガーポイントというわけではありません。
トリガーポイントは筋膜上のみならず腱・靭帯・脂肪・皮膚などの結合組織に広く存在し、筋膜以外も治療対象となることがわかってきました。
最近の研究でトリガーポイントは、侵害受容器など痛みのセンサーが高密度に分布しているFascia(以下、ファシア)に優位に存在している可能性が示唆されています。
そして、いわゆる線維性結合組織を意味するファシアは、動かないことや使いすぎによって、癒着したり、伸長性が低下したり、刺激に敏感になったりして、痛みや可動域制限など症状を起こすことが知られています。
このトリガーポイントによって引き起こされる病気を筋膜性疼痛症候群(以下、MPS)言いますが、この病気は、採血、レントゲン等の検査でも異常が認められません。
近年ファシアの異常は、超音波診断装置(以下、エコー)を用いることで、エコー画像上で白く厚みを持った帯状の像として観察できる可能性が示唆されています。
しかし、注意しなければならないことは、このファシアの異常と痛みを感じている場所が離れていることが稀ではないのです。
たとえば、太腿の裏の痛みは、おしりにある筋肉や靱帯や神経が原因になっている場合が多く見られます。
これは腰のヘルニアによる坐骨神経痛と誤認されていることがあります。この痛みは関連痛によって引き起こされている現象であり、痛みの原因(以下、発痛源)を検索することでみつけていきます。
発痛源の検索方法は、症状・病歴・身体診察などから、ある程度の場所を絞っていき、エコーでその部位を詳細に評価していきます。
この時、医師のみならず多職種での連携が必要となり、ファシアの評価を訓練された理学療法士や鍼灸師などが、機能解剖学的評価を行い、発痛源を検索していくことも大切となります。
MPSの治療方法は複数ありますが、いずれも異常なFasciaの治療と同様のものです。
当院では、一般的な治療法であるトリガーポイントブロック、神経ブロック、関節注射、硬膜外ブロックの他に、我々が開発したエコーガイド下Fasciaリリース等の治療法を積極的に実施しています。そして、エコー(超音波診断装置)を用いることで、体の深い部分や、神経、血管、肺の近くでも、ピンポイントに発痛源まで注射針を刺入していくことを心がけています。
治療方法の詳細については以下のページを参照してください。
さらに、ファシアの評価の観点から、理学療法士や鍼灸師と連携し、発痛源評価や徒手や鍼(はり)によるファシアリリース治療も適宜組み合わせています。
×:トリガーポイント 赤い部分:関連痛
図は 『 Myofascial pain and Dysfunction:The Trigger Point Manual; Vol. 2, The Lower Extremities. 1st ed. Lippincott Williams & Wilkins, 1992. p 』 より引用
×:トリガーポイント 赤い部分:関連痛
図は 『 Myofascial pain and Dysfunction:The Trigger Point Manual; Vol. 2, The Lower Extremities. 1st ed. Lippincott Williams & Wilkins, 1992. p 』 より引用
×:トリガーポイント 赤い部分:関連痛
図は 『 p. Travell & Simons’ Myofascial pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual; Vol. 1, Upper Half of Body. 2nd ed, 1999.』 より引用
×:トリガーポイント 赤い部分:関連痛
図は 『 Travell & Simons’ Myofascial pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual; Vol. 1, Upper Half of Body. 2nd ed, 1999. 』 より引用